あまり楽しい話題でもないし、なんとなく頼みにくい離婚届の証人欄。
証人になる了承をもらっていざ書いてもらう時には捺印が必要ですが、これってシャチハタ(※)でも受理されるのでしょうか?
また、離婚届の証人は2人必要ですが、その2人が同じ苗字の場合、印鑑に気を付ける必要はあるのでしょうか?
それぞれ見て行きましょう。
(※シャチハタとは、本体にインクが内蔵されているハンコの事です。)
離婚届の証人欄に使える印鑑は?
まずは軽く印鑑の種類についておさらいしておきましょう。
大きく分けて、以下の3種類あります。
「役所に届けるんだから実印じゃないとダメ」と思う人もいるようですが、離婚届の印鑑はこの中のどれでも受理されます(とはいえ実印や銀行印は防犯上避けましょう)。
三文判(大量生産されたハンコ)でも問題ありませんが、一つだけ条件があります。
それは、必ず朱肉を使うという事。
認印には朱肉を使う物とシャチハタなどのゴム製でインクを使う物がありますが、後者は離婚届には使えません。
朱肉で押されたハンコとシャチハタなどのインクで押されたハンコは見た目にも違いが一目瞭然なので、見慣れた役所の方はすぐに分かります。
自分たちのハンコと証人2名のハンコ、すべてきちんと朱肉を使って捺印されていないとその婚姻届けは受理されませんので気を付けてください。
離婚届の証人欄の印鑑にシャチハタが使えないのはなぜ?
「他にも同じものが沢山出回っているから」という意見をよく目にしますが、それはあまり関係ありません。
その理由がダメなら多くの三文判も受理されなくなってしまいますね。
シャチハタがダメと言われるのは、朱肉ではなくインクを使うからなんです。
朱肉とスタンプ用インクは、同じ赤でも実は全くの別物。
朱肉は油性で、スタンプ用インクは水性です。
一般的なハンコの材質は、象牙や水牛、木など油に強いものですが、シャチハタのようなゴム印は油性インクを使うと溶けて形が変わってしまうんです。
だから水性インクを使う必要があるのですが、水性インクは紙に押されて時間が経つと色が薄くなっていってしまいます。
よって、長く保管する離婚届には朱肉での捺印が必要なんですね。
シャチハタをはじめとしたゴム印を使って水性インクでハンコが押された離婚届は受理されないので、また書き直しをする二度手間になってしまいます。
きちんと朱肉で捺印できる印鑑を使いましょう。
離婚届の証人欄、苗字が同じ場合は印鑑も同じでいいの?
片方の両親や親族、また知人夫婦に証人をお願いする場合など、証人2人の苗字が同じ、というケースもよくあると思います。
この場合は同じ印鑑を使ってしまってもいいのでしょうか?
答えは「NO」です。
きちんとそれぞれが別の印鑑を用意する必要があります。
ちなみに、もちろん離婚する本人たちの印鑑もそれぞれ別である必要がありますよ。
捺印欄は4つあるので、すべて別のハンコが押されているかきちんと確認してくださいね。
とは言え、私の知人はこの事を知らずに証人になってもらった夫婦が同じ印鑑を使ったまま提出して、そのまま受理されてしまったそうです。
後で知ったものの、もう受理されているものなのでまぁいいか、と言っていました。
証人欄は一応の形式みたいなものなので、あまりきちんとチェックされないのかもしれませんね。
ただ本来受理されるべきものではありませんし、実際に不受理となったケースもあるようなので、リスクは冒さないようにしましょう。
まとめ
- 離婚届の証人欄の印鑑は必ず朱肉で押す
- シャチハタなどのゴム印は朱肉で押せないのでNG
- 苗字が同じ場合でも、印鑑は別のものを用意する
いかがでしたか?
ただでさえ頼みにくい証人欄、「間違えていたから…」とまた書いてもらいに行く事態は避けたいですよね。
終わった!と思ったのに窓口で受理されなかったりしたら、離婚の手続きで心労が続いてる状態からさらに気分が落ち込んでしまいます。
不必要なストレスを避けるためにも、証人になってくれる人たちにきちんと注意点を伝え、1度でスッキリ仕上げてしまいましょう。