近年は「イクメン」と言う言葉にも表れているように育児に参加する父親が増え、母親と同じように親権を主張して双方譲らず、裁判所で争うケースが多いようです。

以前は「子育ては母親の仕事」という社会意識が強く、協議離婚(裁判所を通さない一般的な離婚)でそのまま母親に親権を譲るケースが一般的でした。

父親が育児に参加しているのだから今どきの親権は半々くらいかと思いきや、現状は母親9割。

母親がかなり有利なその理由を見て行きましょう。

離婚時の親権争いの争点は?


裁判所は、子供への愛情や親本人の心身の健康、子供の年齢や子供自身の意思、親が子育てに割ける時間や経済的な余裕など、さまざまな要素を見てどちらが親権を取るべきかを決めます。

こういった項目は数値で測れるものではないので「絶対的な基準」が存在せず、片方に明らかな問題がある場合を除き、双方の主張や状況を見て判断が下される事になるのが難しい所ですね。

とにかく第一に考えられるのは「子供の幸せ」だと覚えておきましょう。

夫婦が既に別居している場合、子供と一緒に暮らしている方がとても有利と言われていて、別居に至った経緯によっぽどな問題がない限りそのまま親権が渡される事がほとんどです。

別居に至っていない場合、「普段の育児はどちらが中心になってやっているのか」が論点となり、その差が明らかな場合はより育児をしていた方に親権が渡ります。

これは「子供の生活をなるべく変えずにストレスを最小限に抑える」事が最重要だと考えられているからです。

また、15歳以上の子供の場合は意思が尊重されますが、それ以下の子供の意思はあくまで参考です。

離婚による親権争いで父親が不利なのはなぜ?


平成28年の司法統計では、裁判所が母親に親権を渡したケースが9割を超えています

これを見れば明らかに父親が不利な状況ですね。

実際この割合を聞いて裁判に持ち込むのを諦めてしまう父親も多いかもしれません。

なぜこんなに偏りが出ているのでしょうか?

これは上に書いた親権争いの争点を考慮していただけると分かると思うのですが、「父親」が不利なのではなく、「育児に参加し切っていない方」が不利なのです。

昔に比べたら父親が育児に参加しているとはいえ、母親以上に育児に関わっているのはまだまだ少数派。

休みの日に子供の遊び相手をしたり母親の手伝いをしたりして、「自分はイクメンだ」と誇りを持っている父親は多いですし、実際に世間一般ではいい父親です。

ですが「細やかで行き届いた総合的な育児」となると母親には到底及びません。

そうして結果的に「父親が不利だ」という状況が出来てしまうのです。

離婚による親権争いで母親が有利なのはなぜ?


母親が親権を取れるかどうかでよく誤解されるのが、「経済力がないと難しい」というもの。

確かに経済力はあった方がいいですが、親権を決める上での比重はかなり軽いと言えます。

9割もの親権が母親に行っていることからも明らかですよね。

母親がこんなにも有利なのは、上で書いたように何よりも重視されるのが「子供の生活を大きく変えない」ことだから。

まだまだ育児は母親主体な事を考えれば納得ですよね。上にも書きましたが、「父親だから」「母親だから」ではないんです。

父親主体で育児をしているような場合は、もちろん親権だって父親に行くんですよ。

ただし、10歳以下の子供に関しては、同じくらい育児参加をしていてもほぼ母親に親権が行くようです。

この現象は「母性優先の原則」と言われており、心理学的に子供は最初に親として世話を焼いてくれた人に執着するものである事から来るようです。

出産して授乳したりしている母親が有利なのは当然ですね。

この年齢の子供で親権が父親に行くのは、最初から父親が完全に育児を担っていた場合か、母親によっぽどの理由がある場合となります。

まとめ

  • 親権争いの争点は「子供が自然に暮らせるのはどちらか」
  • 裁判所は9割のケースで母親を親権者に指定している(平成28年の司法統計より)
  • 父親が不利・母親が有利と言われるのは、一般的に母親の方が育児の割合が多いから
  • 10歳以下の子供は、「母性優先の原則」により特に母親が有利

いかがでしたか?

親権を得るのに母親が有利というのは、統計でもはっきり出ている事実。

親の離婚で振り回される子供の気持ちを最優先に考え、「なるべく今までと変わらない生活を」と考えたとき、より育児に関わっている割合の多い母親が有利になるのは当然といえば当然ですよね。

ただし母親が有利なのは結果論であって絶対ではないので、親権を得たい場合は自分が親権を取れるかどうか客観的に見直してみることも必要です。