離婚の際、母親も父親も親権が欲しい…となって譲らなくなった場合、裁判所に決めてもらう必要が出てきます。

第三者目線だと、いったいどういった基準で親権が決められるのでしょうか。

また、子供が片方の親と暮らしたいと意思表示している場合は考慮されるのか、そしてやはり経済力がある方が有利なのか…気になりますよね。

一つ一つ見て行きましょう。

離婚の際の親権の決め方は?


協議離婚(裁判所を通さない一般的な離婚)の場合、離婚する本人たちで話し合って親権を決めますが、その話し合いで決まらない時、裁判所の判断を仰ぐことになります

裁判所はどんな基準で親権を決めるのでしょうか?

どちらかに虐待など明らかな落ち度がある場合を除き、愛情の強さ・心身の健康・子供の年齢・子供の意思・子育てにかけられる時間・経済力といった事を総合的に見て、どちらがよりふさわしいかを決めるようです。

とは言ってもこれらの殆どの項目は数値化できるものではなく、単純に決めるのは難しいですよね。

親権を決める時によく使われる2つの指針に、「母性優先の原則」と「現状維持の原則」があります。

前者により、10歳以下の子供の親権はほぼ母親に。

後者により、すでに別居している場合は実際に子供を引き取っている方、そうでない場合は普段どちらの方が育児への関わりが強いかを考慮して親権を決め、子供の生活を大きく変えない配慮がなされます。

離婚の際の親権に子供の意志はどう関係する?


子供自身がどちらか一方の親との生活を強く望んだ場合の親権への影響力は、子供の年齢によって変わります。

15歳以上の場合は、裁判所には子供の意思を聞く義務があり、そこで話された子供の意見が尊重される事が多いです。

15歳未満はそういった義務はありませんが、一般的に10歳以上なら判断能力があるとみなされ、その子の意思を尊重する裁判官が多いようです。

10歳以下の場合でも子供の意思は基本的に尊重される事が多いですが、しっかり状況を理解した判断力があるとは言えない年齢なので、他の項目と照らし合わせて慎重に判断されます。

幼い子供の意思を尊重した例として、平成11年にあった裁判で、当初妹と共に母親に親権のあった5歳の長女を連れだした父親に親権が渡った判例があります。

連れ出しから5か月経った後で母親と面会をさせた所、とても強い拒否反応を示したそうです。

その子が母親と暮らしたくないというのは明らかでしたが、5歳という年齢や連れ去りという手段のこともあり、「一緒に暮らしていた間に洗脳された可能性もある」とすぐに判断は下さず慎重に調査がなされたようですが、最終的には子供の意思を尊重する形になりました。

離婚の際の親権に経済力はどのくらい影響する?


経済力はあるに越したことはありませんが、「親権を得る」という観点では殆ど重要視されないのが現状のようです。

一般的に父親の方が経済力がある事が多いにも関わらず、平成28年の司法統計によると9割以上のケースで母親に親権が渡されている事からも、ほとんど影響がない事が分かると思います。

もちろんギャンブル依存症だったり莫大な借金を抱えているなら話は別ですが、極端な話、無職でも親権にはほぼ影響ありません。

親権を決めるのに重要視されるのは、とにかく「子供の幸せ・安定」です。

養育費や行政の援助なども受けられますし、路頭に迷う事はありません。

経済力よりも実際に子供と関わって心の安定をサポートしていける方が子供にとっては重要であると考えられているのです。

とはいえ養育費が支払われなかったりする可能性もあるので、経済的に自立しているに越したことはありません。

あくまで親権を得るのに重要視されない、という意味です。

まとめ

  • 親権を決める際は「子供の生活がなるべく変わらないこと」が一番重要視される。
  • 子供の意思は基本的に尊重される。ただし10歳以下の子供については、慎重な判断がなされる。
  • 親権に経済力はほとんど重要視されない。

子供の親権は、親の意思ではなく、「何が子供にとって一番いいのか」という視点で決められます。

そう考えると子供の意思はしっかり尊重されるべきですよね。

また、「経済力がある方が子供は幸せだ!」と考える人も多いのですが、最低限の生活さえ出来ていれば、子供にとって大事なのは親からの愛情です。

親権を得たい場合は「自分がどれだけ子供に愛情と時間を注いであげられるか」という観点でアピールするのが近道ですね。