熟年離婚が増えている昨今、子供が大きくなってから離婚する夫婦が多くなりました。

また、若い頃から離婚は考えていたものの、子供が成熟するのを待って離婚する夫婦も少なくありません。

なるべく子供への負担を軽減するため、タイミングを見計らって離婚を準備するのです。

しかし、いざ本当に離婚となると、わからないことが次々と出てくるものです。

その一つが「親権」の問題です。

子供がすでに成人を迎えている場合でも、親権の問題はあるのでしょうか。

また、離婚後に親権者が死別してしまったときはどうすれば良いのでしょう。

今回は、こういった親権の様々な疑問に焦点を絞ってご説明していきます。

離婚で親権が必要なのは何歳まで?


子供が幼い場合、一般的に親権は母親が持つことが多いとされています。

保護・育成が必要な年齢の子供がいる場合、離婚にあたっては必ず親権を決める義務があります。

しかし、夫婦の間に成熟した子供がいる場合の親権問題については、あまり広く知られていません。

親権は、子供がすでに20歳を超えている場合は考える必要がありません。

離婚届には親権記入欄がありますが、子供が20歳以上であれば未記入でも受理されます。

また、子供が20歳未満の場合でも、その子が結婚していれば成人した者とみなされます。

この場合も親権者の決定は必要ありません。

もう1つ見落としがちな点をご紹介しておきます。

「親権」とは、子供一人一人に対して決定していかなければなりません。

つまり、夫婦の間に複数の子供がいる場合は、それぞれの子供に対し親権を決めていきます。

仮に1人でも20歳に達していない子供がいれば、その子の親権は決定しなければなりません。

補足ですが、夫婦によっては子供を分けて引き取るという選択をすることがあります。

長男は成人だから親権なし、次男は夫が親権を持つ、三男は妻が親権を持つといったようなケースもあるのです。

「離婚問題」成人していない子供に対して考慮すべき点


先に述べました通り、子供が成人してしまえば、両親が離婚する際に親権を決める必要はありません。

しかし、成人していなくとも、ある程度の年齢に達している子供を持つ場合には、注意点があります。

成人していればもちろん大人として見なされるわけですが、成人前でも分別のある年齢として定めている基準があるのです。

子供も高校生にもなれば、両親の離婚についてもある程度理解ができるようになります。

そこで、15歳を超える子供を持つ場合は、両親だけで親権を決めるのではなく、その子の意思が尊重されます。

15歳になれば、子供も充分に親権の意味や重要性を理解できるとされているのです。

子供に何も説明せず、両親が離婚や親権問題を片づけてしまうことのないようにしましょう。

まだ成人していない15歳~19歳の子供を持っている場合は、注意が必要ということです。

また、調停離婚や審判で離婚する際には、15歳未満の子供であっても参考意見として質問することがあります。

離婚後に親権者が死亡したとき


ここでは、離婚成立後、子供を引き取った側である親権者が死亡したケースについて解説します。

普通に考えれば、子供のもう片方の親が親権者になるのではないかと想像します。

しかし、法律はそのように定められてはいません。

親権者が死亡した場合は、法律では「未成年後見」という制度が開始されることになっています。

「親権」も「未成年後見人」も、子供が安全に健やかに成長し幸福でいられるように監護するためにあるのです。

従って、未成年後見人は裁判所があらゆる事情を考慮して最も子供のためになる人物を選びます。

もう片方の親が、親権を持ちたい場合は、親として適格であるための条件を満たしていなければなりません。

もしも親権を持ちたいならば、家庭裁判所に「親権の変更」を申し立てる必要があります。

申し立てがあった場合は、裁判所がもう片方の親を審査し、親権を持たせるか否かを決定します。

残されたもう片方の親が、子供を育てる義務を果たせるかどうか判断するのです。

■親権が持てるか否かの判断基準
  • 教育の権利・義務
  • 住居の確保と管理
  • 財産管理
  • 様々な契約行為の代理

まとめ

  • 子供がすでに20歳を超える成人であれば、親権を決める必要はない。
  • 子供が15歳を超えている場合は、その子の意思を尊重して親権を決定する。
  • 親権を持つ親が死亡しても、もう片方の親がそのまま親権を持てるわけではない。
  • 親権を持つ親が死亡した場合、未成年後見人が定められる。

親権問題は、数ある離婚準備の中でも最も神経を使う、そして重大な事柄です。

夫と妻の離婚後の人生を設計していくことはもちろん大切です。

しかし、それ以上に子供が幸せであるかどうか、安心して暮らしていけるかどうかを考慮しなくてはなりません。

よくわからないまま成りゆきに任せてしまったり、感情的に親権を取り合うことはないようにしたいものです。

子供がある程度の年齢に達していれば、夫婦の離婚について早めに意見を聞いておくという考え方もあります。

離婚にあたり、どんな選択が子供にとって、そして夫婦にとって適切かを見極めながら手続きをしていきましょう。