離婚協議において、子供を持つ家庭では両親のどちらが親権の取るかを言い争うケースが多くあります。

父母ともに子供を引き取りたいという意志が固くて一歩も譲らない場合、裁判離婚になることもあります。

どうしても親権が欲しいと考える父親であれば、裁判に持ち込んででも親権を取ろうとするからです。

しかし、一般的には父親が親権を獲得できる可能性は極めて低いというのが現状です。

では、なぜ母親は親権を獲得する際に有利であり、父親は親権があまり取れないのでしょうか。

今回は親権争いの実情をご説明します。

離婚において親権争いになる夫婦は多い


離婚の話し合いのテーマが慰謝料問題であれば、夫婦のどちらが悪いのかについて徹底した議論は必要です。

しかし、親権問題においては、単に相手が悪いとか不貞行為があったというだけでは不足です。

親権の争点は飽くまでも、夫と妻「どちらが引き取れば子供が健やかに育つか」にあります。

男女間のいさかいや、夫や妻の不貞行為は子供には関係がなく、まして子供のせいでもありません。

裁判になれば、配偶者としての責任の欠如を訴えることはもちろんできます。

但し、婚姻相手の行動によって自分が傷ついたという論点では親権は取れません。

その行為が子育てに対してマイナスだったか否かが大切なポイントになります。

つまり、子供を幸せに育てていく上で責任感が欠落していると裁判所が判断してくれなければ、意味がないということです。

■子供を幸せにできない親と判断される例
  • 子供を家に置いたまま頻繁に家を空ける。
  • 育児放棄の傾向が見られる。
  • 暴力を振るう。
  • お酒を飲んで暴言を吐いたり暴れたりする等。

『離婚における親権問題』は母親が有利である


親権争いにおいて、一般的には母親が有利とされています。

母親全般が当てはまるわけではなく、「子供と同居している母親」であり、「子供が幼い場合」に有利に働きます。

理由は、離婚後の子供の生活環境があまりにも大きく変わると、精神的に不安定にさせるリスクが上がることにあります。

また、単純に一緒にいた時間が長い親に育てられた方が、幸せになる可能性は高いという理由もあります。

但し、これはあくまで親権を考える上での一つの要素に過ぎません。

何がその子にとって幸せなのかは、家庭の状況によります。

長い時間を過ごしてきたという安易な理由だけで親権が決まるわけではありません。

稀に、父親と一緒に暮らした方が子供は幸せになれると審判が下ることもあるのです。

『離婚における親権問題』なぜ父親は不利なのか


親権を決める際、重視されることは「どちらが親権を持てば、より子供が幸せになれるか」です。

■父親が親権を獲得しにくい5つの理由
  • 多くの父親はフルタイムで働いていて、子供の面倒がほとんど見られない。
  • 離婚後、母親から養育費をもらうことが期待できないケースが多い。
  • 子供自身に尋ねると、多くの場合「母親と暮らしたい」と答える。
  • 全体的に母親が親権を取るケースがまだまだ多く、父親が取るケースが稀である。
  • 母親と暮らす方が、これまでの生活と離婚後の生活に大きな差が出ない。

物理的に、父親の方が家にいることが少ないことは、親権が獲得できない大きな要因になっています。

一緒にいる時間が短ければ、生活面で子供の面倒を見ることもできないと判断されてしまいます。

但し、子供が15歳を超えていて、その子が「父親と暮らしたい」と意思表示すれば親権が取れる可能性は高くなります。

15歳になれば離婚の意味も理解でき、衣食住の介助もほとんど要りません。

裁判所は15歳以上の子供の意思を尊重する点を、押さえておきましょう。

まとめ

  • 親権争いは「子供が健やかに幸せに育つ」と判断された親に審判が下る。
  • 子供が幼い場合はほとんどのケースで母親が有利である。
  • 母親に育児放棄等の傾向が見られれば、父親に親権が持たされることがある。
  • 子供が15歳以上であれば、子供本人の意思が尊重される。

親権争いは、数多く存在する離婚協議の中でも最も感情的になりやすい問題です。

父と母の両者が一歩も譲らないことで、離婚の準備が進まなくなることは少なくありません。

もしも裁判になったときのためにも、親権獲得の基本的な知識は持っていた方が良いでしょう。

自分なりの知識では訴求点に自信がない人は、早めに弁護士事務所に相談してみるのも一つの手です。

また、インターネットでは離婚で悩む人の様々なケースを検索することもできます。

一人で悩み苦しむのではなく、経験者やプロの人達の声をパソコンで見てみることもお勧めです。