「一日も早く夫と離婚したい!」妻が離婚を決意したとしても、夫が首を縦に振るとは限りません。

離婚のための話し合いが暗礁に乗り上げることはよくあります。

財産分与や親権の問題が解決できない、世間体を保つために離婚を受け入れられない等、理由は様々あります。

離婚問題が進まないなら、せめて離れて暮らしたいという気持ちから、別居の道を選択するケースもあります。

しかしながら、別居はしていても戸籍上は夫婦です。

離婚を希望する人にとっては、いつまでも夫婦でいることは苦痛ですね。

ここでは、別居状態から離婚を成立させるための方法や、別居の準備についてご説明します。

別居期間が長ければ離婚は成立する?


どんなに話し合いを重ねても、調停裁判に持ち込んでも、相手が合意しなければ離婚は成立しません。

そこで、中にはまずは別居だけでもしようという選択をする人もいます。

では別居が長引いた場合には、離婚に持ち込むことはできるのでしょうか。

一般的な目安として、別居期間が5年に及ぶと離婚が成立しやすいと言われています。

但し、これは飽くまでも「目安」としての期間の位置づけです。

民法では、いくつかの離婚原因として以下の事実があれば離婚を認めるとしています(770条‐1項)

■裁判上の離婚原因
  • 相手の不貞行為
  • 相手による悪意の遺棄
  • 相手の生死が3年以上不明
  • 相手が強度の精神病で回復の見込みなし
  • その他、婚姻を継続し難い、重大な事由があるとき

長期間に及ぶ別居状態は、5項目目の「婚姻を継続し難い、重大な事由」として当てはめることができます。

但し上記は、裁判離婚になったケースの参考例です。

離婚協議がもつれて長期に渡ると、個人の話し合いだけではなかなか解決できないことも知っておきましょう。

離婚前に別居する際の注意点


離婚が成立するまでに夫と別居を選択した場合には、どんな注意点があるかを見てみましょう。

■離婚前の別居の注意点
  • 婚姻前に貯めたお金や財産等を必ず持ち出すこと。
  • 別居期間中、夫が財産隠しをすることがある。
  • 別居のための生活費を確保しておかなければ、生活が破綻してしまう。
  • 子供を置いて別居に踏み切ると、親権が相手に有利に働く。

別居や離婚において、最も重要視しなければならない問題は「お金」の確保です。

お金の確保とは、慰謝料や養育費の請求だけではありません。

夫婦がこれまでの結婚生活で買ったもの、貯めたお金は全て「財産分与」の対象となります。

この問題をあやふやにしたまま家を出てしまうと、家に残った側は自分に有利に動く可能性があります。

あなたが婚姻前に貯めたお金や買った物等は、財産分与の対象にはならないので、必ず持ち出すことが必要です。

また、夫名義の預貯金であっても結婚後に貯めたものであれば財産分与の対象になりますので、いくら位の金額であるかは早く掴んでおきましょう。

万が一、妻が出て行った後で、夫が通帳や印鑑を隠してしまえば、その財産を追跡することは極めて困難になります。

そして最も大きな金額になることが予想される、マイホームの時価は早く掴んでおくことをお勧めします。

別居後や離婚後は、生活費の確保が最大の課題になります。

もらえるお金がどこにいくら位あるのかは、徹底して調べておきましょう。

離婚前に別居をする場合の準備は?


あなたと夫との収入を比べて、夫の方が高い収入を得ている場合は、別居中の生活費を相手に請求することができます。

別居の準備で最初にやらなければならないことは資金調達です。

新生活における生活費はもとより、引っ越し資金や家財道具購入費も必要になります。

また、子供を抱えている場合は教育費も必要ですね。

■別居の準備事項
  • 生活費の調達
  • 新居への引っ越し
  • 住民票の異動
  • 子供の転校手続き
  • 仕事探し

まとめ

  • 別居期間が5年に及ぶと離婚が成立しやすい。
  • 相手が離婚に応じてくれないケースでは、個人で離婚を成立させるのが困難である。
  • 財産分与の問題を放置したまま別居をしないことが大切である。
  • 別居の準備として最初にやらなければならないことは、お金の調達である。

離婚を決意した相手と一緒に暮らすことが苦痛になり、家を出たいと思うのは自然の流れです。

しかしながら、先立つものがないのに感情的に別居を始めても、生活は即座に困窮していきます。

どうすれば生活資金を確保できるか考え、でき得る限りのお金を集めるようにしましょう。

なお、別居がスタートしてから1年が経過すると、離婚が成立していなくても「児童扶養手当」が支給されることがあります。

児童扶養手当は、住民登録をしている地域の役所で手続きができますので、必ず申請を出すようにしましょう。