信頼がベースにあってこそ成り立つ夫婦関係において、どちらかの裏切り行為から離婚問題に発展することは少なくありません。

許せないという判断になる基準には個人差がありますが、社会的には不貞行為は充分に離婚理由として認められるものとされています。

しかしながら、長年夫婦で協力することで成立できていた家族生活を、一からやり直すのは困難なことも多々あります。

特に専業主婦として夫を支えてきた女性は、収入がない分、不安も大きいものです。

今回は、夫の不貞行為によって離婚するケースを取り上げます。

特に、子供の親権はどうなるのか、養育費はどの程度請求できるのかという問題について解説していきます。

離婚の原因が夫の不貞行為にある場合


夫に不貞行為があった場合は、最初にその「事実」や「証拠」を押さえる必要があります。

仮に夫に浮気の気配があったとしても、「浮気したでしょう」「していない」という言い争いの繰り返しでは事実も証拠も掴めません。

夫がはっきりと不貞行為の「事実」を認める、または妻が「証拠」を掴むことができれば、相手に慰謝料を請求することができます。

■浮気での慰謝料額決定のポイント
  • 夫が浮気するまでの夫婦関係は良好だったか否か。
  • 夫婦の婚姻関係の期間。
  • 夫の、浮気への積極性(積極的に相手を誘っていた等)。
  • 浮気の回数や期間。
  • 浮気相手が妊娠したか、出産したか等。

気になるのは慰謝料の相場ですが、ほとんどの場合は100万円~300万円程度内で支払われているようです。

なお、浮気の慰謝料は夫一人ではなく、加害者二人が共同で払うべきと定められています。

『夫の不貞行為による離婚』子供の親権はどうなる?


次に、子供の親権について説明します。

まず、夫に不貞行為があったか否かに関わらず、日本においてはほとんどのケースで母親が親権を取っていることを知っておきましょう。

特に 子供が10歳以下である場合は、親権は母親に有利とされています。

相手に浮気や暴力、ギャンブルや酒癖が悪い等の問題行動がある場合は、なおさら母親が親権を取れる可能性は高くなります。

「親権」とは、子供がどちらの親に引き取られた方が幸せになれるかという観点で決められるものだからです。

なお、親権を取ることができた場合、夫と別に戸籍を持ち、新たに作った自分の戸籍に「子供を入籍させる」という手続きが必要となります。

戸籍は役所での手続きとなりますが、子供の苗字を母親の旧姓に変えたい場合は、家庭裁判所に申請をしなければなりません。

離婚の準備を進めていく際には、戸籍や苗字の手続きについても同時平行で調べておきましょう。

『夫の不貞行為による離婚』子供の養育費は?


子供を背負ってシングルマザーとして新たな生活を始めるにあたっては、夫に養育費を請求することができます。

但し、「養育費」は飽くまでも子供に必要なお金を請求するものであり、夫に不貞行為があったかどうかは関係ありません。

不貞行為に対しては「慰謝料」を請求し、子供の養育監護に必要な分を「養育費」として請求するということになります。

なお、養育費の算定は各家庭の収入によって金額を決めていきますので、一概に「相場」を示すことはできません。

仮に、夫の収入が年500万円あり、妻が100万円収入があった場合に妻が受け取る金額は月額4万円~6万円の範囲が妥当となっています。

なお、同じ500万円の年収があったとしても、自営業か会社員か等によっても算定方法は変わります。

■養育費の基本知識
  • 養育費とは子供に必要となるお金を配偶者に請求するものである。
  • 養育費の金額は各家庭の収入に合わせて算定する。
  • 子供が満20歳になるまで養育費をもらう権利がある。
  • 養育費の金額は状況に合わせて増減を申し出ることも可能である。
  • 養育費は子供の人数によっても算定が違う。

養育費の計算の仕方は、裁判所や弁護士事務所等がホームページに掲載している「養育費算定表」で確かめることができます。

まとめ

  • 夫に不貞行為があった場合は、加害者(夫と浮気相手)に慰謝料を請求できる。
  • 慰謝料の金額は不貞内容等によって金額が決定する。
  • 子供の養育費は家庭ごとの収入によって算定される。
  • 養育費は状況に応じて金額を再設定することができる。

養育費の金額が夫婦合意の下で定まっても、月日が経つうちに支払いを怠るケースがあとをたちません。

養育費を毎月しっかりと払わせるためにも、事前に弁護士等の知恵や力を借り、誓約書を交わすという方法を取る人もいます。

子供を背負って生きるということは想像以上に大変なものです。

養育費の支払いが滞れば、一人親世帯の生活は一瞬で困窮することにもなりかねません。

養育費だけでなく慰謝料をしっかりともらう、一人親世帯の支援制度を利用する等、入ってくるお金はきちんと入るように整備しておくことも重要です。

親の不貞行為や離婚問題には、子供には何の責任もありません。

一人親世帯になったとしても、子供が幸せに暮らしていけること、必要な教育を受けられることは当たり前の権利です。

親権を持った親には、子供が一人前の成熟した大人になるまで、支えていく義務があります。

離婚準備にあたっては、新生活に向けてもらえるお金がどれ位あるかを徹底的に調べることをお勧めします。