日本で離婚する夫婦のうちのほとんどは、「協議離婚」を選択しています。

協議離婚は夫婦の話し合いで成立させていきますので、話がスムーズに進めば、比較的短時間で決着がつきます。

しかしながら、夫婦だけの話し合いで何もかも決めるのは不安であるという人は少なくありません。

また、協議だけで離婚してしまったが、後になって「もっとこうすれば良かった」と思うことが出てくることがあります。

今回は、夫婦の話し合いで進めていく「協議離婚」と、家庭裁判所で行なう「調停離婚」の違いについてご説明します。

協議離婚と比較した「調停離婚」のメリット


協議離婚とは、夫婦の話し合いに基づき行われる離婚のことです。

離婚に向けての約束事や条件等、夫と妻とで全て合意を取ることで離婚が成立します。

「調停離婚」も、夫婦の話し合いと合意で決定づけられる点は、協議離婚に共通しています。

協議離婚と違う、「調停離婚」の特徴をまずはご紹介します。

■「調停離婚」の特徴
  • 家庭裁判所に対して「調停離婚」の申し立てを行なう。
  • 離婚に向けての話し合いを家庭裁判所で行なう。
  • 夫婦2人だけではなく「調停員」及び「裁判官」が介入する。
  • 調停に申し立てる内容によって費用が必要となる。

協議離婚は夫婦間の話し合いのみで進めていきますが、調停には調停員と裁判官が入ります。

調停離婚は、素人だけの協議と比べて、離婚に必要な項目全てを押さえて内容を決定できる点が最大のメリットです。

裁判ではありませんので、最終的には夫婦で合意を取って決めていきますが、離婚に詳しい人が入る安心感があります。

また、調停離婚の際に弁護士を雇わなければ、費用が高額にならない点も調停離婚のメリットの一つです。

「調停離婚」のデメリットは?


次に調停離婚のデメリットについて解説します。

調停離婚は家庭裁判所で行ないますので、話し合いのために何度も通うという「負担」がかかります。

家庭裁判所が遠方である場合は、当然ながら通う度に交通費がかかるというデメリット もあります。

特に夫と現在別居中であり、自宅から遠い家庭裁判所を選択した場合は、時間的にも費用的にも負担は大きくなります。

なお、夫婦がすでに別居状態にある場合は、「婚姻費用分担」を請求することができるケースがあります。

妻が専業主婦である等、生活費の当てがない場合には、例え別居中であっても夫は婚姻にかかる費用を払う義務があるのです。

なお、婚姻費用分担を「調停」に申し立てた場合は、別途収入印紙代(1,200円)が必要です。

では、調停で離婚する場合の費用はどうでしょうか。

調停で離婚をする場合の費用は、収入印紙代1,200円+切手代900円程度、及び戸籍謄本代450円となります。

弁護士を使用しなければ弁護料は発生しませんので、調停離婚は比較的安く済むことがわかります。

協議離婚と調停離婚の違い


ここまでの項目をお読みいただくと、協議離婚と調停離婚の違いは概ねご理解いただけたかと思います。

ここではもう一点、2つの離婚方法における「条件の記し方」の違いを押さえておきます。

夫婦が離婚問題で揉めるのは、「離婚に向けての条件」に対する意見が違うからというケースが多数を占めます。

それら全ての合意が取れれば離婚は成立しますが、離婚後に約束(条件)を破る人が多いことも大きな問題です。

そういった問題を事前に回避するために、お互いに誓約書を書く夫婦も少なからずいます。

但し個人的に書いた誓約書は、何の強制力も執行力も発揮しません。

財産分与や養育費等、取り決めた全ての内容を守らせるには、公的な文書の存在が欠かせないのです。

もしも「調停離婚」をする場合には、「調停調書の作成」を家庭裁判所にお願いすることができます。

協議離婚であれば、「公正証書」を作成するという方法で対処します。

調停調書もしくは公正証書があれば、仮に夫に「養育費を払わなくなる」ようなことがあった場合、強制力を執行することができます。

裁判を起こさなくとも、「夫の財産」や「夫の給与」を差し押さえることができるのです。

まとめ

  • 調停離婚は家庭裁判所に「調停の申し立て」をする必要がある。
  • 調停離婚には収入印紙・切手・戸籍謄本の購入費がかかる。
  • 別居している場合は夫に対し「婚姻費用」を請求できることがある。
  • 調停調書もしくは公正証書があると、内容を守らなかった際に財産等を強制的に差し押さえることができる。

夫婦関係がすでに破綻し、会話の機会を持つことも困難な場合は「調停離婚」に頼るのも一つの選択です。

一人で思い悩んでいるばかりでは、時間が過ぎるだけでなく、神経がすり減り健康に害を及ぼすこともあります。

離婚の準備にあたっては、たくさんのことを同時に考える必要があります。

夫が話し合いに協力的であれば、スムーズに協議離婚を推し進めることも可能です。

しかしながら、離婚話となると相手も感情的になりやすく、中には問題を先送りにしようとする夫もいます。

調停離婚や裁判離婚等を選択したことで、道を開いた女性もたくさんいますので、まずは視野を広げることから始めてみましょう。