夫と離婚したいという気持ちが固まっても、相手がこちらの思い通りに応じてくれるかどうかはわかりません。
離婚に対する条件に事細かく反論したり、感情的になったりと、協議が進まないことは往々にしてあることです。
また、離婚そのものに猛反対され、取り付く島もないケースもあるでしょう。
離婚の協議(話し合い)がもつれ、自分の力では解決できない場合は、「調停離婚」という方法があります。
夫婦の離婚話を家庭裁判所に持ち込み、調停員と裁判官立ち合いの下で合意を取っていくという方法です。
ここでは、調停離婚をする場合に「弁護士」は必要となるのか否かについて見ていきます。
弁護士なしでも「調停離婚」はできるのか
まずはじめに、「調停離婚」を申し立てるのはどういうケースかを整理しておきましょう。
■調停離婚を申し立てるケースとは
- 協議(話し合い)を始めて数ヵ月経っても相手が応じない。
- 協議により双方に離婚する意志はあるが、離婚条件の合意が取れない。
- 夫婦だけの協議をせず、最初から家庭裁判所を頼りたい。
一般的な印象としては、夫婦間の話し合いがこじれてから調停離婚に進むと思われがちです。
しかしながら、そもそも離婚を決意した段階で夫婦関係はこじれている場合がほとんどです。
芸能ニュース等でも時折見られますが、前触れもなく妻が出ていき、その後再び2人きりで話すことがないまま離婚を成立させることもあります。
自分だけの説得力に自信がない女性や、夫の顔も見たくない場合等が当てはまるケースでしょう。
なお、調停離婚は「家庭裁判所で行なうから弁護士が必要」と連想する人が多いようですが、弁護士は必要ありません。
調停離婚には、「調停員」と「裁判官」が介入していますので、弁護士がいなくとも必要項目を確認しながら話は進めていけます。
もちろん、調停離婚の際に弁護士の力を借りることも可能です。
「調停離婚」における弁護士の必要性
調停離婚において弁護士が必要か否かの意見には、賛否両論があります。
「裁判ではないから弁護士は必要ない」という意見もあります。
一方で、調停離婚であっても事前に「相談」に乗ってもらったり、調停に同行してもらうことで立場が有利になるという意見もあります。
例えば事前に弁護士からアドバイスをもらった上で、調停に毎回臨めば、話す内容に迷わないというメリットはあります。
また、調停に弁護士を同行させることは、裁判官や調停員に良い印象を与えることにつながるという経験談を述べる人は少なくありません。
気になる「調停離婚」における弁護士の相場
ここでは調停離婚における弁護士の費用の相場について解説します。
■「調停離婚」で弁護士に支払う費用とは?
- 着手金
- 相談料
- 報酬
弁護士に支払う費用とは、大きく分けて上記の3種類があります。
着手金とは、案件に着手するときに払う費用のことで、相場はいわゆるピンキリ状態です。
20万円~40万円内に収まることが多いようですが、中には「着手金ゼロ」を打ち出す弁護士もいます。
「相談料」は30分ごとに5,000円前後が「相場」と言われていますが、こちらも金額には幅があります。
なお、報酬は30万円~40万円程が多いようです。
こちらも弁護士によって差がありますので、予算に合う弁護士を探してみましょう。
まとめ
- 調停離婚には調停員と裁判官が入る。
- 調停離婚は家庭裁判所で行なう。
- 調停離婚に際して弁護士を雇う・雇わないは個人の自由である。
- 弁護士は良き相談相手であり、調停離婚に携わってもらうことにメリットはある。
「協議離婚」「調停離婚」「裁判離婚」という3つの離婚方法のうち、どれを選んでも絶対に弁護士が必要ということはありません。
逆に、この離婚の仕方では弁護士は使ってはならないというルールもありません。
家庭内の話し合いである「協議離婚」であっても、弁護士の力を借りる人はたくさんいます。
逆に、裁判離婚に持ち込んだとしても弁護士を使わず、自力で話を進める人もいるのです。