離婚後の生活を思い描いたとき、ほとんどの人が不安になるのは「お金の問題」と言えるでしょう。
夫婦が二人三脚で支えてきた暮らしを、今後は一人でやり切ることを考えれば、当然のことと言えます。
中でも、子供を複数人引き取る場合や、自身が専業主婦の場合は、まわりからの支えなくして新生活を始めるのは困難です。
今回は、離婚の際に持ちあがる数ある「お金問題」のうちの一つ、「養育費」について考えます。
一般的に、他のシングルマザーは養育費をいくら位もらっているものなのでしょうか。
「離婚問題」養育費が決まらない
離婚後の生活の要となるのは「お金」です。
夫との離婚を準備する際には、必ずお金をできる限り確保することを考えましょう。
■お金にまつわる離婚準備項目
- 夫婦の「財産分与」
- 慰謝料(請求する場合のみ)
- 子供1人あたりの「養育費の金額」
- 子供2人以降の「養育費の金額」
離婚にあたっては、上記各々について徹底的に話し合い、夫と合意を取る必要があります。
では、2人で話し合っても養育費がなかなか決まらない場合は、どのように決めるのでしょうか。
養育費が夫婦で決めることができない場合は、家庭裁判所に「調停」を申し立てるという方法があります。
以下で詳細を見ていきましょう。
調停離婚における「養育費」の決め方
離婚後の養育費について、家庭裁判所で話し合いたい場合は、「夫婦関係調整(離婚)」調停を申し立てることができます。
離婚した場合も、双方に「子供を扶養する義務」はありますので、夫に養育費を請求することができます。
調停では、夫と妻の収入面や、子供にかかっている養育費の状況等を細かく把握していきます。
なお、調停離婚は「裁判離婚」ではありませんので、飽くまでも結論は「夫婦の合意で」出していきます。
夫婦ごとの事情を聞き、解決案を提示する・助言することはありますが、内容を決めるのは当事者2人ということになります。
「調停離婚」一般的な養育費の相場は?
前述の通り、調停では「夫」「妻」それぞれの収入面を考慮して、養育費に対する助言をします。
夫の収入、妻の収入ともに、家庭ごとに様々ですので、養育費も一律「これ位の金額で」と決まっているわけではありません。
平均的なサラリーマン家庭では、月額5~6万円内の養育費で収まっているようです。
なお、家庭裁判所では「養育費算定表」をホームページで公開 していますので、参考にしてみましょう。
この算定表は、夫の収入・妻の収入から簡単におおよその「養育費」がわかるようになっています。
なお、養育費の問題は「離婚前の話し合い」だけに止まらないことを知っておきましょう。
現在、養育費を受け取れているシングルマザーは、全体のうちわずか20%前後しかいません。
つまり、離婚までに金額を決めたから安心ということではないのが大きな問題です。
調停離婚の場合は、養育費の金額が定まったら「調停調書」を作成してもらい、将来に備えることができます。
夫が養育費の支払いを滞った場合、調停調書があれば、相手の財産や給与を差し押さえることができるのです。
まとめ
- 離婚準備の中でも「お金の準備」は重要である。
- 養育費が決められなければ、調停離婚に持ち込むという方法がある。
- 夫の収入と妻の収入が明確であれば「養育費算定表」を参考にすれば良い。
- 離婚後に養育費をしっかりと払っている夫は全体の20%しかいない。
- 「調停調書」があれば夫が約束を守らなかった際、財産や給与を差し押さえられる。
「養育費」は一度決めた金額は変えられないというものではありません。
家庭裁判所のホームページにも記載されていますが、子供の成長に合わせて金額を変えることができます。
子供は成長するに従って、お金もかかるようになっていきますので、合わせて知識を持っておきましょう。
調停離婚ではなく、「協議離婚」をする場合でも、夫婦で話し合ったことは口約束に終わらせないことが必要です。
その場合は、「公正証書」というものを作成することができます。
個人的に書いた誓約書には強制力はありませんが、調停調書や公正証書には財産差し押さえ等の強制力があります。
子供に貧困生活を強いないためにも、「備えあればうれいなし」の考えを持ち、万全の体制で離婚準備を進めましょう。