これまでの結婚生活で苦労して築いてきた資産は、夫婦平等に分けるべきものです。
「財産分与」とは、財産は夫と妻の協力で築き上げてきたものという考え方に基づいた制度です。
仮に、夫と妻との収入額に差があったとしても、お互いに支えがあったからこそ財産を持つことができたと考えられています。
医者や弁護士等の高い技術を持った、高額所得の場合は本人の貢献度が高いとされるため、財産分与の比率は特殊なものになります。
しかし、それ以外のほとんどのケースでは財産は夫婦折半になることが多いといわれています。
ここでは、気になる「財産分与」の期限や留意点について詳しく見ていきます。
離婚裁判で財産分与を請求するメリットと期限について
多くの法律事務所や弁護士事務所のサイトで、離婚を決意したら最初に手をつけるべきこととして財産分与を挙げています。
また、離婚の言い争いの多くはお金問題であることから考えても、財産分与がいかに重要かがわかります。
では、仮に離婚裁判に財産分与の問題を取り上げた場合はどんなメリットが期待できるでしょうか。
離婚裁判が、他の離婚法とはどう違うかという観点で考えてみたいと思います。
■3つの離婚方法の特徴
- 協議離婚:夫婦の話し合いで決定する。
- 調停離婚:調停員と裁判官の下、夫婦の話し合いで決定する。
- 裁判離婚:裁判所において審判によって決定する。
協議や調停と違い、「裁判」では話し合いで決めることは何一つありません。
裁判とは「事実」と「証拠」の確認の積み重ねにより、審判で内容を決定します。
判決が下れば、控訴しない限りは、原告も被告も審判通りの行動を守ることが強いられます。
裁判では事実確認を徹底し、正当な判断に基づき審判が下りますので、夫婦の話し合いで決めるようなあいまいさや甘さはありません。
なお、財産分与を取り決める「期限」は2年と定められています。
「離婚と財産分与の問題」いつから取り組む?
離婚を決意したら、まず最初に迷わず「財産の把握」に取りかかりましょう。
これまでの婚姻生活(結婚生活)において、いくら位の財産を得たかを知らずして、分与額を考えることはできません。
とりわけ、マイホームや土地を持っている場合は、家や土地にいくら位の価値があるかを掴む必要があります。
離婚話が始まったら、最も言い争いが激化するのがマイホーム問題だと言われています。
また、夫名義の預貯金がいくらあるかを掴んでおくのも重要です。
離婚の際は、夫名義・妻名義の資産共に「財産分与の対象」になるからです。
一旦、離婚の話が夫婦間に持ち上がれば、相手が自分名義の預貯金を隠す可能性もあるのです。
「離婚と財産分与の問題」期限はいつまで?
前述の通り、財産分与問題を片付けるための「期限」は2年と定められています。
財産分与は、不動産や預貯金をはじめ、生命保険や株式投資、負債(ローン)まで、多岐に亘って調べる必要があります。
また、必要書類を揃えるのにも時間がかかります。
離婚裁判に臨む場合、先に親権だけ決定して離婚し、財産分与は時間をかけて決めるという方法を取る人もいます。
愛する我が子の親権だけは最優先で取っておき、顔も見たくない相手とは早々に離婚するという方法です。
但し大事なお金の問題である、財産分与に関しては2年(以内)という時間をかけ、しっかりと決めていくわけです。
まとめ
- 離婚において「財産分与問題」で揉める夫婦は多い。
- 離婚裁判で財産分与問題に取り組めば、正当な判断をしてもらえるメリットがある。
- 離婚を決意したら、最優先で財産の把握をした方が良い。
- 財産分与を決める期限は2年である。
財産分与とは、不動産と預貯金だけにとどまるものではありません。
生命保険、株式投資、ローンに至るまでもが、財産分与の対象となります。
なお、子供に学資保険をかけてきた場合、離婚を機に一旦解約して現金化するという方法を取る人もいます。
夫婦で形成してきた様々な不動産、自動車、預金、各種保険の内容をしっかり把握し、離婚計画を進めていくことが大切です。