離婚の準備を進めていくと、「離婚届」を書く日が近づいていることを実感します。
離婚届のことを考えたとき、急に気がかりになるのが印鑑の問題です。
■多くの離婚経験者が迷ったこと
- 「離婚届にはどんな印鑑を押せばいいのかな?」
- 「夫婦で同じ印鑑じゃダメなの?」
- 「実印じゃないとダメなの?」。
今回は、離婚準備をしている方のために、離婚届の印鑑に関する知識を整理します。
いよいよ離婚が現実にせまってくると、印鑑ひとつのことでも知らないままではいられませんね。
この機会にすっきり疑問を解消しておきましょう。
離婚届に押す印鑑は『実印』じゃないとダメなのか?
役所に提出する正式な書類と思うと、つい「実印が必要」と思いがちな方が少なくありません。
しかし、離婚届に実印を押す必要はありません。
■そもそも実印とは
- 住民登録している市町村の役所に『登録してある』印鑑。
- 『唯一である』ことを守るため、通常利用している銀行や信用金庫、その他の印鑑としては使わない。
- 公正証書の作成、金銭などの『賃借証書・契約書』に押すための印鑑。
- 不動産取引きや、遺産相続などで使う印鑑。
難しい言葉がいくつも出てきましたが、要は離婚の届け出に実印は必要ないということです。
しかし、離婚の話し合いが長引き、離婚協議をする場合には協議書に実印が求められることがあります。
また、もしもご自身の実印を市町村に登録してある場合はこんな疑問もわいてきます。
「離婚後、役所に印鑑登録を抹消する手続きをしに行かなければならないのでは?」
この点についてはご安心ください。
⇒ 離婚が無事に完了すれば、印鑑登録(実印)は自動的に抹消されます。
離婚などが理由で今の市町村を離れる、旧姓に戻るなど氏名の変更がある場合は、自動的に抹消されるのです。
離婚届に押す印鑑は『認印』でも良いのか?
認印とは、別名で『三文判』と呼ばれる印鑑のことです。
一般的には、自宅に郵便や宅配が届いたときに捺印する、受け取ったことを認証することから『認印』と呼ばれています。
また、銀行や信用金庫などの窓口で通帳を作るときや、預金を引き出すときにも使用する印鑑のことです。
いわゆる『普通の印鑑』のことを総称で『認印』と呼んでいます。
⇒ 離婚届は、認印(三文判)の押印で受理されます。
つまり、いつも使っているような普通の印鑑を押せば受理されるということですね。
どんな印鑑を押せば良いかはわかりましたが、印鑑は離婚届を準備するとき以外にも必要になることがある点をご説明しておきます。
それは以下のようなケースです。
■離婚届を提出しに行った役所で押印を求められることがある
- 押していた印鑑の色が薄い、一部欠けている、ずれて二重になっているとき。
- 押印した印には問題はないが、記入項目に誤字脱字などの間違いがあり、訂正印が必要なとき。
いよいよ離婚届が受理されるという段階になって、印鑑が必要になって慌てる方が少なくありません。
役所に届け出に行くときには必ず印鑑を持参しましょう。
また、都市部の大きな役所では印鑑を販売しているところもあります。
離婚届に押す印鑑は『シャチハタ』でも良いのか?
離婚届への押印が認められている印鑑とは、インクではなく『朱肉』を使用する印鑑であることが条件です。
⇒ つまり、離婚届にシャチハタのような自動印を押しても受理はされないということです。
なお、朱肉を使う普通の印鑑であれば100円ショップで売られている激安のものでも大丈夫です。
その印鑑が高級でも激安でも、朱肉を使って押すタイプであれば押して良いということです。
逆に、どんなに高価で立派なものであっても、自動式にガシャンと色がつくシャチハタは不可ということですね。
シャチハタ以外でも、インクを使用するハンコは全て認められません。
⇒ 離婚届には『朱肉を使う印鑑が必要』と覚えておきましょう。
また、当然ながら離婚届には夫婦両方の押印が求められます。
つまり、あなたが朱肉を使った印鑑をしっかり押せていても、配偶者がインク使用のシャチハタを押すことがあります。
シャチハタを使った離婚届は無効ですので、役所には受理してもらえません。
最近では、シャチハタとは思えないほど本格的なしっかりとした文字の品も売られています。
ついうっかり離婚相手がシャチハタを押してしまったということのないように、事前にしっかり釘を刺しておきましょう。
まとめ
- 離婚届に実印を押す必要はない。
- 市販の三文判(認印)を用意しておけば大丈夫である。
- シャチハタを押した離婚届は受理されない。
- 朱肉を使用する印鑑を用意すること。
- 離婚届は夫婦両方の押印が必要である。
離婚届には夫と妻、それぞれに押印箇所が設けられていますので、夫婦両方の押印が必要です。
ここで注意しておかなければならない点は、夫と妻が同じ印鑑を使わないということです。
⇒ つまり、印鑑はそれぞれに違うものを用意しておく必要があるのです。
離婚届にしっかりと署名し、必要事項をすべて記入したのに、印鑑不備ということがあります。
何らかの理由で印鑑を求められたときのためにも、離婚届を提出する際には、忘れずに印鑑を持参しましょう。